2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧
「女の子が、困っとたら助けとうなるやん」 医者が誰かを助けるのに理由は要らない。 異世界においても天才外科医の本領を発揮して人々を救っていく芦屋薫だったが、治療師リースを通じて「迷宮熱」の特効薬まで世に送り出し治療する薫を面白く思わないのは…
「帳簿はいい……穴があるのを発見するのも楽しいし、誰かがこせこせごまかそうとしてる様子を見るのも面白い。時に思いがけない手口を知ると、新しい学びに心が洗われるようだ」 文林は皇帝よりも文官に向いている男だった。 帳簿チェックが楽しいという男が…
「クーイヌは僕に絶対服従だよ?」 性格は明るいし、人懐っこいし、親切で頑張り屋ではあるけれど、見習い騎士のヒースことフィー姫の戦い方はえげつないし、他人の弱みをえぐるのも得意だった……。 田舎国家デーマンの第一王女フィーの人生は、いつでも双子…
クマハチがミラノに虐められていると思い込んでいるセレネ姫は、マリー姫を連れて故郷である東の島国に向かうクマハチに無理矢理同行。もっともクマハチを助けてフォローするためというより、東の国では新鮮なお刺身とウニが食べ放題だと考えたためなのだが……
『例え化け物だろうと、お前を信じてくれる奴や、お前を愛してくれる奴は、きっとどこかにいる』 セルティ・ストゥルルソンにそう言われた三頭池八尋は、首無しライダーが微笑んだように見えた。 ダラーズの終焉から1年半。池袋では首無しライダーに関心を…
「魔王と勇者を繋ぎ合わせ、セフィラの子に慕われ、勇者の仲間に守られ、悪魔元帥を拝命し、多くの悪魔が平れ伏し、法術を駆使して異世界間を飛び回る『普通の女子高生』などいてたまるか」 魔王サタンや勇者エミリアが考えるのは、エンテ・イスラ世界を救う…
「ピロートークというものをしてみたいと思います」 魔王と秘書とか獣人やら妖怪やら、人外な登場人物たちの恋愛ストーリーを5編、「全てハッピーエンド」というのがポイントみたい。そりゃあ、読み切り短編で不幸な結末の恋愛ストーリーだったらやりきれな…
「人間個人の正義なんて、所詮半径数十メートルよ。その範囲で正義やって、文句言われる筋合いはねーよ」 外務官僚・白木崇雄は目の前で困っている人を助けるのに気にしなくても良いと。 特務交渉官に任命された柏木真人は宇宙船ヤルバーンへの訪問団に参加…
「この世の全ては、一人の可愛い女がいれば大抵どうでも良くなる」 国造りも大事だけれど、可愛い妻の待つ家庭ほどではないと新田良造。 世界大戦もシベリア共和国も、複雑な家庭問題ほど新田を苦しめはしなかった。 世界情勢は大きく揺るぎ始めていた。サラ…
「敵にはいてもらった方が色々と便利だよ。憎む相手がいると、人間はやる気がでるでしょう? 敵がいなくなれば、勝手に作り出すんだから、いてもらった方が良いよ」 だから今ここで攻勢をかければ帝国を倒せるかもしれないけれど、それはしないとノエル。 裏…
「……わたし、父さんの、お嫁さんになりたい」 長い冬を終えて春となった。 弟が誕生し、新しいインクの開発やグーテンベルクたちとの新しい本作りも進んでいく。 このまま順風満帆に進むかと思われたが、その裏では巫女見習いの少女マインを嫌う神殿長や貴族…
「無責任と傲慢の二択なら、僕は傲慢を取る。無責任は他人に迷惑をかける。傲慢は僕が非難されるだけだ」 映画研究会とパソコン研究会との間で演劇部の柳瀬さん争奪戦が勃発。それに通りすがりに巻き込まれたのは美術部の葉山くんだったが、そこで交わされた…
仮想現実ゲーム「オンリーセンス・オンライン」に大型アップデートがやってきた。 今回は寒冷ダメージが追加され、街は一転して冬仕様に様変わりし、大規模イベントもスタートした。レイド戦のような大きなイベントからNPCのお使いのような小さなイベント…
「現実から目を背けろ」 ライトノベルに必要なのはリアリズムではないと長谷部チカラ。 地球も最近、異世界と国交を持つようになった。ただ、いろいろ事情があって誰でも勝手気ままに行き来できるわけではない。 そんな中、中堅ライトノベル作家の長谷部チカ…
「相談するのはいいけれど、答えは絶対に自分で見つけるんだ。そうすれば何があろうと、真っ直ぐ前を向いて歩いて行けるからな」 リースへのシリウスの言葉。 シリウスたちがエリュシオン学園に入学してから2年が経過した。シリウスの後継者育成も順調で学…
マイペースで紙作り、本作りに没頭するマインだが、その強大な魔力が貴族の間で注目を集めるようになり、危険を察知した神官長は、彼女を神殿に匿うことにするのだが、それはマインと家族を切り離すことになった……。 書籍がまったく普及しておらず、貴族以外…
「黙っているだけでお前を求めてくれる人間などいない。生きている価値のある人間になりたいなら、誰かに求められるのを待つな」 自分の価値は自分で守れと御子柴辰巳。 一般人は知りもしないことだが、世界には名探偵の遺伝子群を持つ人間が存在し、その推…
「名誉とは、ほかの人々からどう扱われるかということではない。自分がほかの人たちをどう扱うかだ」 自分の名誉を守る真の方法はほかの集団の人間と権利を守ることだと、“ブラックジャック”ギアリー。 なんとかダンサー族と共に旧地球にたどり着いたギアリ…
辺境の都市コムネスの乱を防いだネモたちは、ユーリアを故郷に帰すべく旅を続けていた。 ところがブラインドボアが大量異常発生して隊商を襲ったり、無知なはずのゴブリンが装備をかためて巧みな戦術を駆使したり、周囲の状況に異変が生じていた。 ついにゴ…
異世界に転移させられた真の意図を見抜いたアンリは、人と神とに分かれ、それぞれ生きることとなった。 しかし人族になったとはいえ邪神スキルは消えておらず、教皇が国のシンボルとして建てた巨大な邪神像に加護を与えてしまったため、邪神像がいきなり動き…
「颯太さん、日本は広いんですよ。そして、わたしは一人しかいないんです」 あちらこちら旅したつもりだが、まだまだ颯太とひよりの行ってない場所、食べていないものは多い。 亡き父の食堂を継ごうとする颯太と、進路に迷って休学中の食いしん坊女子ひより…
アマゾンの記事では「初期の短編三作を併録」と書いてあるけれど、あれは92年発売のちくま文庫版のデータです。このソノラマ文庫版に収録されているのは、初期長編の「宇宙の操り人形」と初期短編「地球乗っ取り計画」だけです。 ある日故郷へ戻ってみると、…
「今日のところはまず、あたしの名前と顔だけ覚えて帰って下さいな、あたし?……あたしの名前は、一福。楽々亭一福と、申します」 剣と魔法の世界ターミナルでは魔族の侵攻によってエルフの国もドワーフの国も陥落し、残るは人間の国家サイトピア国だけとなっ…
「単純明快な解決法ってのは、魅力的に見えるもんなんだよ」 たいていの場合、最終的に厄介な問題を引き起こすだけだと部長の言葉。 他校からビブリオバトルの対戦試合が申し込まれた。 学園祭の企画だからこれも良い機会だと受けたBISビブリオバトル部だ…
「奴の叡智は俺をはるかに凌ぐか! 鬼才過ぎて手が読めん!」 皇帝ジルクニフの叫び。 アインズ・ウール・ゴウンは魔導国を建国し国王となった。孤高なる魔導王の誕生である。 アインズは魔導国を理想郷とすることを決意し、その手始めとして冒険者組合の強…
クラーク・アシュトン・スミスといえば、ハワード、ラブクラフトと並ぶウィアード・テールズ誌(20世紀前半に刊行されていた、怪奇とファンタジーで有名なアメリカのパルプ・マガジン)の御三家の1人。でもまともに読んだことがあるのは、クトゥルフ神話の…
「武部さんの絵は時代を超えて素晴らしいですよ! 他の何物にも変えられませんよ! 何で変えちゃうんですか!? 『モナ・リザ』が古い絵だからって、新しい絵に変えたりします? 納得いきません!」 伏木空は創元SF文庫が『火星のプリンセス』の新版を刊行し…
ついにシシリーと恋人になったシン。 だが、シシリーは貴族の娘、シンは平民。身分の差が……ということはなかった。身分は平民でもシンは伝説的英雄2人の孫で、王族とも親しく付き合い、その魔法は災害級の魔物すら一掃し、生み出す魔法具は日々莫大な富をも…
「他人の評価で自信を作ると、それが消えた時、どうしようもなく揺らぐ。だから楽しめ。自分を信用するために、君達は好きなものを誰のせいにもするな。正しく狂え」 他人の評価なんか周りのノリで一変してしまうと、山吹矢高校女子バレー部顧問、幹弓弦の言…
「後悔が生まれた時には、もう遅いのだ。だから親はみんな、子供に努力させようとしているのだ。大なり小なり、後悔してるから」 シルフィエットとの新婚生活を堪能するルーデウスだが、パウロから2人の妹を任された悩みは大きい。 出来は悪くないのに周り…