2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧
まず誤植チェック。p232「トレイ交代」→「トイレ交代」 かつて「アニメック」というアニメ評論や情報分析に定評のあるアニメ情報誌があったのだけれど、その編集長であった著者が雑誌の誕生から月刊化までを回想したもの。 「ここまでお祭りなんだから、日本…
「ほんのちょっとの情報しか与えられていないとね、見えない部分を勝手に創作しちゃうものよね」 新聞部の山口真美さんの言葉。まあ、いちばんありそうな話が正解というのが世の中ですが、100%そうとは限らないのも世の中です。 高校生でこれだけ認識できて…
『高松宮様はその政府のやりようにお憤りであり、皇族は皆行くがよいと仰せられたとうけたまわる』 徳川慶喜の孫として生まれ、武家と宮家の狭間で成長した著者が、自らの日記をもとに回想した徳川慶喜家の日常。お正月とか墓参り、御授爵記念日といった毎年…
密室殺人です。それに大脱走がついてきます。 場所は第二次大戦さなかのイタリア、第127捕虜収容所。その脱獄用トンネルの工事現場で1人の男が死体で発見されます。トンネルの入り口は巨大なコンクリートの蓋で隠されており、開けるのに4人の男の力が必要…
「どんな仕事にも共通して必要なものは、モノを見る眼と、モノを作る姿勢と、それからまわりの人との関連で自分をどこに立たせるかを知る位置づけです」 町工場の旋盤工として50年働き続けてきた著者が、町工場とそこで働く職人たちについて語ったもの。日本…
「人間関係に正解なんてないわよ。もしかしたらどこかに模範解答はあるかもしれないけれど、丸写しじゃつまらなくない?」 武島蔦子さんの言葉。 この作品に登場する「大人の視点を持つ少女」はどうして「オヤジくさい」キャラになるのだろう? 集団における…
松本侑子による『赤毛のアン』シリーズの3作目の完訳版。時代的には19世紀末から20世紀初頭の話でアン・シャーリーが18歳から22歳までのレッドモンド大学時代の物語。 「みなさん方は好き好きに、破滅への道を行くこともできるんです」 共同生活を始めるこ…
「人は進化などしません」 亜門の言葉。 組織の中枢に大きな打撃を受けたバフォメット教団は巻き返しを図り、その動きに公安特殊対夷セクションが反応したのだが……。 羅魂陽馬が時忘れの回廊から覚醒させた4人の魔人が公安の超能力部隊と東京湾上の実験都市…
「悩め悩め。たいしたことじゃないことで悩めるのが、若さの特権」 乃梨子の同居人、薫子さんの言葉。この巻は、この言葉がすべて。 本命の高校を受験し損ない、意に反して私立リリアン女学園に入学することになった二条乃梨子は仏像マニアだった……。 新入生…
タイムライフブックの1冊で、なぜか書庫に眠ってました。日本語版刊行は1975年。時代を感じさせるのは、カラー写真の着色っぽいところかな。 ドイツ人外交官の家に生まれ、少女時代を1920年代のベルリンで過ごした著者が、ドイツの料理について、時代別、地…
人類が銀河宇宙へ進出し、異星のさまざまな現住民と接触しながら植民を進めている時代。植民地開発の基幹となる新たな制度がスタートした。 それまで軍がおこなっていた治安維持や、異星人との交渉、植民者への支援や地図の作成等といった作業を、司政官と呼…
「子供たちは、われわれ大人とは違う時間軸の上で生きているんだよ」 帝国海軍元帥ツィエン・タオリンの言葉。 細菌兵器の猛威によって滅んだ銀河帝国のシステムをコリン・マッキンタイアが掌握し、第五帝国を樹立して10年以上が経過していた。しかし、反乱…
天邪鬼と男の話『イーシャの舟』が宇宙から来た虫と少女の話『星虫』の前日譚であったように、戦国時代の魔物と呼ばれた姫の物語『鵺姫真話』はその後日譚。そして『鵺姫異聞』はその『鵺姫真話』のさらに裏話であり、後日譚であり前日譚でもあり、すべての…
「私は今日も明日もいつもと変わらぬ日常でありたいの」 卒業式の日の蟹名静の言葉。 そして、その潔い背中にカメラを向けながらシャッターを切らなかった武嶋蔦子さん。彼女たちの人間としての感性が好きです。 卒業式を目前に、少女たちは今までとは少し違…
「複雑なほうが物事はずっとおもしろくなるんだ、ちがうかい?」 オマーゴの言葉。 神々と人間による昆虫軍団との戦いを描いたドラル国戦史も、この8巻にてついに完結。うん。今川版ジャイアントロボ並のオチでしたよ、おとうさん! エディングスの作品は大…
「未来のことなんて。もう忘れちゃった」 地球環境の悪化により生物の滅亡がすぐそこに見えてきている近未来。近未来というよりは「明後日くらい」といった方が良いくらい、すぐそこの時代。環境破壊の元凶たる人類を宇宙に進出させることで地球環境の負担を…
「恋というやつはいつもうまく成就するわけではないが、友情はちがう」 女悪魔メトリアの言葉。 3つの人格が入れ替わり立ち替わりしている女悪魔メトリアが魔法使いハンフリーから与えられた課題は、鳥の王シムルグが開く裁判のための証人やら判事やら検事…
還暦を迎えて暇をもてあました3人のおっさんが始めたのは、地域限定の正義の味方だった! 「ガキが間違うのは当たり前だ、ガキが間違ったら親はガキがションベンちびるほどガッツリ怒って、ああ、こりゃあ悪いことだと教えてやらなきゃ駄目なんだよ」 立花…
クリスマスの季節に発生した事件を題材にしたアンソロジー集。表題作は、もちろん「もう少し身綺麗にしないとホームレスにもみえない」というフロスト警部ものだけれど、実は読むのは初めて。評判の作品でも未読が多いけれど、最近読書量が減ってきているの…
世界中に出かけていろんなことをしようというテレビ番組「地球の果てまでイッテQ」から、珍獣ハンター篇をまとめたもの。コモドドラゴンと追いかけっこしたり、ワニと綱引きしたりとなかなか本編を映像で観ると愉しいけれど、動物図鑑の方は今ひとつかなあ…
世の中は卒業式も一段落し、公立高校の受験本番で周囲も新聞も慌ただしいこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。 自分の頃を思い起こせば、ただただこれからの新生活への期待と不安に翻弄され、あまり友人たちとの名残を惜しむ余裕もなかった気がしますが…
「職場の先輩がキノコ狩りに行って遭難しました。捜索隊を見かけたらしいのですが、いま見つかるとせっかくの舞茸の穴場が知られてしまうと、捜索隊から隠れたそうです……」 「天ぷらにソースをかけるか否か」とか「おしるこかぜんざいか」とか「なめこの味噌…
「身体に悪い物は溜め込んじゃだめよ。吐き出したら、もう二度と吸わないように向いている方向を変えないとね」 島津由乃の言葉。 バレンタイン・イベントの副賞となったデートイベントの顛末を描いた「ファースト デート トライアングル」、バレンタインデ…
「ちゃんとした家庭がなかったら、ちゃんとした世界なんかできるはずがないんや」 世界中に流星雨が降りそそいだ日から世界は一変した。 人々の額にぴたりと張りついた宝石のようなカケラ、星虫と呼ばれるようになったそれは、人間の知覚能力を飛躍的に上昇…
「リリアンには素敵な女性がたくさんいるわ。それを一人に絞るなんてできると思う?」 盗撮ギリギリの行為を繰り返す写真部のエース、武嶋蔦子さんの言葉。この頃は、まだこういうキャラでした。 2月14日は、お菓子に自分の気持ちを込めて相手に贈る日。…
果たすべき義務がある。 個人的な感情に浸っている余裕はない。すべてが落ちついたら、悲しめばいい。 今は行動するのみだ。 タリアは首都ヘイヴンへと帰還し、正式な<女王補佐>となったが、前後して、王女にして<使者>見習いでもあるエルスペスと敵対中…
薔薇のつぼみで安泰と思われていた次期山百合会(生徒会)の役員選挙に対抗馬が出現して波乱含みの選挙戦が始まる。突如立候補した合唱部の歌姫の真意はどこに? 生徒会選挙にライバル出現という巻ですが、薔薇の花満開の表紙で成人男性には買いにくい本だよ…
文庫の帯には「三部作開幕」とあるけれど、2冊目が89年に出たままお蔵入りの恐竜惑星シリーズの1冊目。 鉱物資源調査のため惑星アイリータに送り込まれた調査船ARCT-10。だが、そこは太古の地球に生息していた恐竜が跋扈する世界であり、予想された…
傷は癒える。 未来は過去を清算する。 コスモス文庫の最新刊は2人の少女の禁断の恋を描いた作品で、もしかしたらモデルは白薔薇さまだという噂が学園に蔓延。本人は他人事のような態度だけれど、ここは白黒はっきりさせたいと由乃と祐巳は黄薔薇のつぼみを…
専業作家を世に送り出し経営危機のオペラ座を救った怪人タコ博士から反骨の新聞人まで、19世紀パリにおいて「黒い獣」(憎まれっ子)と忌み嫌われた、節操のないジャーナリズムの成功者たちの人生を抜き書きした列伝。 中でも紙幅の半分を費やしているのが、…