ラノベ雑記録2004

ライトノベルに限らず書籍や映画等の感想と覚え書きです。

「地龍のダンジョン奮闘記!」 よっしゃあっ!

 時間つぶしに古書店で物色しているときに、文字通り頭上から振ってきてチャクラに直撃した1冊。あの店、棚の整理がぞんざいだよ……。

 終わらない仕事を終えて帰宅した社畜サラリーマンが、気がついたらドラゴンの卵だった。
 卵から孵った男は、とにかく食べられるものを食べて生き残ろうとするが、どうやら地龍らしいドラゴンは土や岩が大好物らしく、食べ進める内に巣穴が迷宮のようになっていく……。

「考えることを放棄することは、最も愚かな行いよ。考えること、悩むこと。後悔すること。これは思考する者に与えられた義務であり幸福なんだからね。勿体ないじゃないの」
 エリベル・レーベンヘルツの言葉。

 社畜根性の抜けない主人公が、時にドラゴンの本能に引きずられながら、人間の意識を持って人との共存を図るでもなく、悪逆非道に大暴れするでもなく、ただ自分の身の安全を守って惰眠を貪ろうとしつも、そのために騒動に巻き込まれつつもその主役となってしまうモンスター転生記。結果的に死屍累累。
 話はテンポ良くて面白いし、巧いイラストなんだけれど、一見すると地味で書店の棚に埋没しちゃうんで、初期の富士見ファンタジア文庫みたいに白枠で額縁を作った方が映えたかと思います。
 ウェブ版の話をあちこち刈りつめ、とりあえず1冊で一区切りつくようまとめていますが、そのためにゴーレムのベルクとかトレスたちの出番が激減しているのが心残りです。

【地龍のダンジョン奮闘記!】【よっしゃあっ!】【雫綺一生】【マッグガーデンノベルズ】【ダンジョン製作】【ゴーレム作り】【眷属】【小説家になろう】【ドラゴン殺し】