ラノベ雑記録2004

ライトノベルに限らず書籍や映画等の感想と覚え書きです。

「オベロンの手」 ロジャー・ゼラズニイ

「再びやり直すよりも、損傷を修理する方がはるかに、この上もなく、困難だということを知っているだろうに」
 この物語の根源は、どうしようもなくなったものを捨てて0からやり直すのか、それとも手間はかかっても修復修正すべきなのかという対立から始まったのだ。

 コーウィンとランダムはユニコーンに導かれ、“大パターン”へと到達する。真の世界を複製する基となる大パターン。だが、ガネロンはそこでアンバーもまた「影」の1つに過ぎないことを看破した。最も最初に生み出された「影」。それに関わったのは始祖オベロンと狂える魔術師ドワーキン……。

 ファンタジーとSFの境界をあざ笑うがごとく行き来する幻想譚。世界を複製する大パターンとそれを変色させる王家の血を巡る謎が提示され、真世界の謎が暴かれていく4巻。
 誰が生きていて、誰が死んでいるのか、これはファンタジーで、SFで、ミステリーで、家族の愛憎劇となんですね。

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