ラノベ雑記録2004

ライトノベルに限らず書籍や映画等の感想と覚え書きです。

「われら顔を選ぶとき」 ロジャー・ゼラズニイ

 1970年代に殺されたマフィアの殺し屋〈天使のアンジー〉ことアンジェロ・ディ・ネグリは、事前に手配していた冷凍保存によって未来世界で復活を遂げた。人類が宇宙進出し、超光速宇宙船やテレポーテーション技術があたりまえとなった時代。しかし、そんな時代になっても非合法な紛争解決手段としての暴力は必要とされていたのだ。
 彼はやがて自分自身のクローンによるファミリーを築き、やがて彼らは表社会に出ることなく、人知れず社会を動かす存在になっていた。だが、そんなファミリーを狙う者が現れた。
 次々に暗殺されるファミリーの構成員、つまりアンジェロのクローンたち。けれど、殺された男の記憶と人格は別のファミリーへと引き継がれ、その記憶もまた引き継がれていく。
 誰も存在を知らないはずのファミリーを殺していくのは誰なのか……。

 マフィアあがりの殺し屋が作った組織が世界を裏から支配し、守護しているという、ハインラインのハワード・ファミリー(長命種)みたいなものですが、こちらはもっと記憶を引き継ぐクローンの一族で、マフィア寄り。
 主人公がころころ死んで、そのたびに語り手が代わり、記憶と人格は引き継がれているとはいうもののそれぞれに少しずつ個性があるあたりがポイント。でも、表紙イラストから想像したような白兵戦闘はないわけじゃないけど、ちょっと期待したのとは違うかなーという感じでした。

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