ラノベ雑記録2004

ライトノベルに限らず書籍や映画等の感想と覚え書きです。

「紅霞後宮物語2」 雪村花菜

「むろん、筋肉が衰えないようにすることと、折れぬ心を保つこと」
 亡命した時になにが一番大変だったのかという、樹華の答え。

 不世出の軍人として誉れも高かった関小玉が皇后にさせられて1年。
 皇帝文林に自分よりもっと良い娘を世話しようと考えても、文林には彼女以外を皇后にする気はない。
 ところがそんなおり、先帝の遺児と名乗る少年が出現し、皇位を巡って新たな火種が巻き起こったが、それに気づくや、小玉は失脚の可能性に備えて逃走経路の確保に動く。
 まさに軍人皇后の鑑であった……。

 いろいろ事件は巻き起こるものの、基本、1巻完結で話が進む、後宮物語の2冊目。ギャグになって興ざめにならない範囲のユーモアがあり、それでいて邪魔者は徹底的に叩きつぶすという政治の本質はきちんと描き、その中で軍人にして皇后という小玉が大暴れする痛快後宮活劇。

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