
残り半分は凄まじいまでの現実でできていて、そのはざまで揺れ動いているものだと浅葱芳。
歌舞伎が好きだったから、高校に入ったら歌舞伎部を作ろうと思った。観るだけじゃなくて、自分たちでも演じてみたい。
伝統芸能だナンだというけれど、そもそも歌舞伎は江戸時代のライブだ。大事件が起きればすぐさま取り入れ、泥棒が主役で戦隊ヒーローみたいな話があったり、不倫みたいなゴシップネタも少なくないし、時代考証もかなりいい加減だ。たとえ農村歌舞伎以下の素人歌舞伎だって、自分たちの舞台を観ることでみんなが少しでもホンモノに興味を持ってくれたら嬉しい。
そんな野望を抱いて高校進学した来栖黒悟だったが、新しい部の設立への道のりは険しい。友人のトンボを頼りに人集めに奔走するのだが……。
タイトルと表紙に惹かれて手にとって、ぱらぱら中身を見て面白そうと判断して購入。テーマは歌舞伎とちょっと特殊だけれど、正統派の青春サークル小説でした。中高生向けのレーベルでも良い内容なのに……と思ったけれど、内容紹介に「こんな青春したかった!」とあるので、最初から青春が終わってしまった人がターゲットのようです。読み終わってから著者プロフィールを確認したら、妖怪小説の人でした。この前、読んだばかり。
これから!というところで終わっていますので、2が待ち遠しいです。
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