
妹は入学生総代を務める優等生(ウイード)の深雪。兄は劣等生(ウイード)の達也。
しかし、深雪は劣等生の兄に肉親以上の想いを寄せ、兄こそは自分以上に優れた存在なのだと訴える……。
魔法の成績が人物評価に直結してしまうエリート校で、高度な技能と優れた資質を持ちながら、それが評価システムからは外れているがために劣等生の落胤を貼られた少年の物語。
能力は高くても一般に評価できない能力なので……というと、ピアズ・アンソニイの『カメレオンの呪文』あたりと同じなのだけれど、特に恨みがましいとか強い向上心を持つとかではなく、最初からひょうひょうとしている兄の達観ぶりが不気味。それを憤る(兄のことについてだけは)熱血漢の妹がいて、うまくバランスがとれてます。
たまたまテーブルの上に転がっていて、読み始めたら面白くて一気に読んでしまい、入学編の下巻が気になって最寄りの電撃文庫が充実している本屋に走ったけれど既刊が並んでおらず、別の本屋がオープンするまで悶々としたのは最近になかった思い出。
世界観や設定・用語などの説明が昨今のライトノベルにしては多い気はしたけれど、一般の小説としては普通。この程度が長いと文句たれていてはSFとか歴史小説なんか読めんよね。
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